側弯症とは
正面からみた時に、脊柱が左右に弯曲している状態です。日本では1~2%程度の発生頻度であり、乳幼児期には男児に多く、思春期に発症するのはほとんどが女児です。脊柱は思春期に成長しますので、その時期に悪化しやすい傾向がありますので注意が必要です。
側弯症の症状
左右の肩の高さが異なる、肩甲骨が出っ張っている、腰の高さが左右で違う、胸郭の変形などを生じることがあります。また、側弯が進行すると、腰痛や背部痛、肺活量低下といった呼吸機能障害、神経障害などを起こすこともあります。
側弯症の原因
病気などはっきりした原因がわかる場合もありますが、ほとんどは原因がわからない特発性側弯症です。また背骨のねじれをともなう構築性側弯、脊柱の先天的な異常による先天性側弯症、神経や筋異常が関与する症候性側弯症などもあります。
側弯症の診断
前屈みになった姿を後ろから観察して診断します。立位で脊柱全体のX線写真を撮り、角度から側弯の程度を判断し、脊椎骨や肋骨の状態もしっかり確認します。神経や筋異常が関与する症候性側弯症かどうかの鑑別が重要であり、疑わしい場合には神経学的検査やMRI検査を行って診断します。 なお、側弯症は進行する前の早期に発見して、できるだけ早く適切な治療を開始する必要があります。そのため、学校検診でも側弯症をチェックしています。
側弯症の治療
側弯の原因、程度、年齢などに合わせた治療を行います。 軽度の特発性側弯症の場合には、運動療法などを続けながら経過を観察します。進行が確認されたら、装具療法を行います。こうした保存的療法でも進行する場合には、手術による矯正が必要になります。また、先天性や症候性の側弯症の場合は将来を見越して早めに手術を検討する場合もあります。